withコロナ不況下の主語はウイルスではなく「スキルセットの変化」

 GDPの大幅減を発表する1次速報値の後、2次速報値はさらに下がると考えて間違いない。

 令和2年9月8日に公表された2020 年 4-6 月期GDP速報(2 次速報値)は、実質▲7.9%(年率▲28.1%)、名目▲7.6%(年率▲27.2%)。予想どおりの1 次速報値からの下方改定だった。

 民間最終消費支出については、6 月分の「サービス産業動向調査」の反映等により、実質▲7.9%と 1 次速報値(▲8.2%)から上方改定となった。パチンコやゲーム等の娯楽サービスが上方改定に寄与した。

 民間在庫変動等が上方改定された一方、民間企業設備等が下方改定され、唯一現状維持(▲0.2%)していた民間住宅も実質▲0.5%と 1 次速報値から下方改定された。不動産仲介手数料が下方改定に寄与したということは、不動産売買が減少してきたということになる。

 経済学では、市場を財市場、労働市場、金融市場の3つに分類している。この規模は長期的にみて同じ規模になると考えている。財市場の次は、労働市場についてみてみよう。

 雇用者報酬については、「毎月勤労統計」(6 月分)の確報化を反映した結果、前年同期比で名目▲2.8%、実質▲3.4%と、1 次速報値(名目▲2.7%、実質▲3.3%)からそれぞれ下方改定となった。季節調整済前期比については、名目▲4.0%、実質▲3.8%と、1 次速報値(名目▲3.9%、実質▲3.7%)からそれぞれ下方改定となった。

 トヨタの今年度の世界販売台数は前年度比15%減の890万台を見込んでおり、連結営業利益も8割減となる。一段のコスト削減に踏み込むため、2次下請けまでの4万社の収益状況は今後より厳しくなることが予想される。そのため、今年の冬のボーナスの実施・支給額は厳しいものになるだろう。

 戦後最悪だった1次速報値を超える2次速報の結果は、今我々が世界史上最大の景気縮小の真っただ中にいるということを教えてくれる。

 1929〜1945年まで続いた世界恐慌ではアメリカ株式市場の株価暴落をきっかけにGDPの15%が失われ、アメリカの失業率は23%に上昇した。金融市場のマネーサプライが減少している中で、直接のきっかけは1929年10月24日(木曜日)10時25分、ゼネラルモーターズの株価がたった「80セント下落」したことで世界恐慌が始まった。

 新型コロナウイルス感染拡大による世界恐慌は、各国が交通網を遮断し、外出規制したことで経済が止まった。業界毎の状況はまだらであって、すべての財市場が縮小しているわけでない。交通網の遮断と外出規制に影響を受けない業界は好調を維持できている。

 新型コロナウイルス感染拡大は今後も止まらない。よって、感染を拡大させる行動はできなくなる。その結果、求められるスキルセットは大きく変わる。例えばオフィスワーカーは、パソコンのスキルだけでよかったものが、カメラ、照明、音響、動画編集のスキルが必要になる。

 求められるスキルセットを特定できない、またはスキルセットを身につけられないから収益を上げられない企業や従業員は、市場から撤退せざるをえなくなるだろう。

withコロナ不況下の主語はウイルスではなく「スキルセットの変化」である。

ニューノーマル時代の経営戦略大全編集部