ニューノーマル時代の新しい付加価値の話をしよう

付加価値とは何だろう?

一般的に、付加価値とは売上から原価を引いた売上総利益をいう。

予め示しておくと、付加価値と生産性は異なる概念である。生産性は

・生産性は投下時間当たりの生産量を示す能率

・投下資源当たりの生産量を示す効率

により成立する概念である。

 一方、付加価値は売上総利益であるから、同じ売上で付加価値を高めるためには単純に直接労働費を販管費として計上すれば成立する。

付加価値=売上ー直接原価

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大後には、経営のムリ、ムダ、ムラができなくなる時代である。一時的な仕分けで見栄えはよくなっても持続的に付加価値を上げ続けられはしない。

 付加価値を上げるため取り組みを行うには時間がかかるが、王道はコストを抑える(ボトムライン)生産管理手法を取り入れることだろう。

・ジャストインタイムで工程内滞留在庫の量を減らす

・作業と材料の標準化を図り、直接労務費と仕入単価を減らす

・作業工程のムリ、ムダ、ムラを減らす

・生産計画を立てて、繁忙の平準化を図る

 ただし、直接人件費を下げるだけでは不満がたまるり現場が荒れ現場の品質が落ちてしまう。そこで、直接労務費とは別にボーナスとして成果報酬制度を整備する必要があることには注意が必要だ。

 新型コロナウイルス感染拡大の結果、自動車販売が大幅に落ち込み、仕入れ調達単価を減らさざるを得ない状況になっている。この経済状況でこれまで通りの事業を行っていれば販売数量と単価が減るため売上は下がる。

 この経済状況でこれまでと違う事業を行えば、販売数量または単価を上げて売上(トップライン)を伸ばすことができる。

・新事業展開:新型コロナ感染拡大で伸びる事業を行う

・新製品展開:既存客に新カテゴリーの製品を販売する

・新市場展開:新規客に既存製品を販売する

 最も早く、収益につながるのは新製品展開であるが、既存製品の焼き直しでは売上を高めることはできない。かといって新カテゴリーの製品を開発することは難しい。そこで、ホールプロダクトの視点をもって、顧客にとってあって当然だが欠けているものをセット販売するところからスタートすべきだ。例えば、家電量販店の長期保証や家電の引き取りサービス。すでに着手していても利用率が100%でないのであれば、新たなパッケージとして打ち出す必要がある。

 付加価値を高める体系について解説したが、実現には戦略と計画が必要である。よって、今こそ事業計画を作るべきである。

ニューノーマル時代の経営戦略大全編集部

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