日本型事業承継・M&Aの背景

日本では、親族承継だけでなくM&Aが増えてくると予想

日本は、世界で一番長寿企業が多い国です。

世界で最も古い企業は西暦578年に創立された日本の金剛組という寺社建設の会社で、実に1440年存続しています。(一度倒産して現在は高松建設グループ入りしています)

日本には100年以上続いている長寿企業が1万5000社以上ありこれは世界第1位。世界第2位はドイツの1000社以下という統計があります。別の統計では、創業200年以上の企業は世界で5586社あり、このうち半数以上が日本、特に近畿地方に集中しているとされています。

京都の商家では女の子が生まれると殊の外喜ぶといわれています。男の子では取り替えられないが、女の子であれば婿取りで優秀な跡取りを選ぶことができる。子供がいてもいなくても跡取りをどう選び、どう相続させていくのか、は、長寿商家を中心にノウハウが蓄積され、長らく口伝の形で外部に公開されずに伝わってきました。

そして、跡取りに継がすことができず倒産したり、やむなくM&Aという手法をとろうとする活動は最大の失敗としてネガティブなイメージで捉えられてきました。

現在の日本の経営者の高齢率はこれまでにないほど高まっています。とくに関東圏の経営者の高齢率は高く、団塊の世代の経営者はすでに70歳を超えており、経営者としての賞味期限を迎えようとしています。

今後、親族への承継だけでなく、M&Aも一般化していくことは間違いないでしょう。

新時代の経営者のための戦略大全編集部